| ●は じ め に |
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鉄鋼金属は、産業のみならず日常生活の中で最も大量に使用されている極めて重要な基本構成材料です。
しかし鉄鋼は使用環境や使用条件によって錆や腐食が生じ、適切な防錆処置をおこなわなければ使用に耐えることが出来ない金属でもあります。
海に囲まれた我が国では潮風や塩害等は避けられず、海岸などの厳しい腐食環境にある鋼構造物に対して塗装を塗り返しても塗膜下腐食が進行し、メンテ費用がかさむだけでなく構造物の崩壊による環境破壊を引き起こすこともあります。
現在、多種多様な重防食施工がされていますが、大気汚染による酸性雨腐食、環境破壊による有機溶剤規制等の問題点も多く発生しており、鉄鋼から錆を守ることは永遠の課題であることに変わりありません。
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| ● 現状の塗膜系重防食施工と金属溶射重防食施工の工法 |
| (1) 塗 料 系 |
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塗料による重防食施工は施工が簡単で安価で防錆防食が優れているので一般には多く普及していますが、現状の塗料の中には鉛・クロムや有機溶剤が多量に含有しており、世界的規模での環境保全対策として現在 鉛・クロム規制・VOC(揮発性有機化合物)排出規制がされており、日本においても近い将来に何らかの規制(VOCの総量規制法案の提出)がなされることは間違いないと思われます。そこで水系塗料が考えられますが水系塗料は乾燥時間が長く、塗膜厚を付けるには生産性が悪く防錆力も劣り、欧米でも水系塗料が重防食の現場で使われているケースは報告されていません。又溶剤塗料においても厚膜塗布による生産性やエッチ部、等の防食性能低下が問われます。 |
| (2)溶融亜鉛メッキ系 |
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溶融亜鉛メッキ系は施工単価が安く、防食性能も良いので最近では色々な物に広く施工され、メッキ層に入る大きさの鉄鋼製品は溶融メッキ施工が可能で、信頼性の高い防食工法です。
しかしメッキ層に入らないほど大きな製品や、薄板鋼鈑での熱歪み、巨額な設備費、年々厳しくなる廃液処理公害、現場施工が出来ない等の問題点も抱えており、その上 従来では20年以上の防食効果が期待できましたが、最近では酸性雨等の環境悪化で白錆びの発生が早くなり6〜7年で錆が発生し錆び汁で美観も悪く、早期対策が必要と電力会社・道路公団等から報告されています。
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| (3)一般溶射 [解説] |
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フレーム亜鉛溶射アーク亜鉛溶射は昔から重防食施工用に広く使われ、溶融亜鉛メッキと同等の防錆力があり、設備費も溶融亜鉛メッキに比べればはるかに安い投資額で済みます。
しかしフレーム亜鉛溶射が主流で高圧ガスを使用する為に取り扱いが難しい。又アーク亜鉛溶射では現場対応型が少なく、溶射装置重量も重く取り扱いが複雑でした。溶射作業においても熟練者を必要としたので生産性が悪く、短時間施工や大面積施工が出来ず、コスト高で普及しませんでした。
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| (4)亜鉛・アルミ擬合金 常温金属溶射機系(MS工法) [解説] |
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MS工法システムは今まで出来なった防食技術で、重防食処理工程においては通常6〜8日間の日数が必要ですが、全工程が1〜3日で重防食処理ができるよう改良した全く新しい重防食システムです。
防食性能では亜鉛線とアルミ線を同時にアーク溶射を行うと、50:50比率(体積比)の亜鉛・アルミ擬合金溶射皮膜が出来て亜鉛の犠牲防食作用とアルミのバリヤー効果の相乗効果で、今一番信頼性の高い溶融亜鉛メッキ工法の4〜6倍以上の防錆防食力(塩水噴霧試験結果)があります。 又 鉛・クロムは一切使用せず有機溶剤の使用量も微量でVOC(揮発性有機化合物)規制値内ですみます。アーク溶射機も小型軽量 簡素化に改良され、エアースプレー感覚で容易に重防食溶射皮膜を付けることができ、その為に生産性が飛躍的に向上して短時間施工や大面積施工ができ、従来の重防食施工のコスト・生産性にも対応することが可能になりました。
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| ●MS工法金属溶射・塗装仕様書 |
1. 適 用 個 所 : 新設の場合
2. 使 用 材 料
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一般名
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商品名
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メーカ名
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規格
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希釈剤
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| 粗面形成剤 |
ブラスン#21 |
大日本塗料(株) |
社内規格 |
無希釈 |
| 亜鉛線材 |
亜鉛線(1.3・φ) |
アルミニウム線材(株) |
JIS H 2107 |
― |
| アルミニウム線材 |
アルミ線(1.3・φ) |
アルミニウム線材(株) |
JIS H 2102 |
― |
| 封孔剤 |
MSシーラー |
大日本塗料(株) |
社内規格 |
プリマイトシンナーS |
| ふっ素樹脂塗料中塗塗料 |
Vフロン#100H 中塗 |
大日本塗料(株) |
社内規格 |
Vフロン
#100Hシンナー |
| ふっ素樹脂塗料上塗塗料 |
Vフロン#100H 上塗 |
大日本塗料(株) |
社内規格 |
Vフロン
#100Hシンナー |
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3. MS工法金属溶射・塗装工程
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工程
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使用塗料
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混合比率
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希釈率
(重量%)
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標準使用量
(g/m2)
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標準膜厚
(μm)
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| 1 |
素地調整 |
ブラスト処理、又はパワーツール 油脂類が付着している場合は、シンナー拭きで除去する。
付着水、塵埃その他異物はエヤーブローなどで除去する。 |
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塗装間隔(20℃):24時間以内に
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| 2 |
粗面化処理 |
ブラスン#21 |
100:15 |
無希釈
(エヤースプレー)のみ |
100 |
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塗装間隔(20℃):1時間〜7日
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| 3 |
金属溶射 |
Zn/A・擬合金溶射(Zn/A・=72:28) (重量比)
体積比 50:50
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Zn:530
Al:210 |
100 |
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塗装間隔(20℃):24時間以内に
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| 4 |
封孔処理 |
MSシーラー |
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20〜40 |
250 |
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塗装間隔(20℃):1時間〜7日
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| 5 |
中塗り |
Vフロン#100H中塗り
指定色 淡彩色 |
80:20 |
5〜20 |
200 |
40 |
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塗装間隔(20℃):1日〜7日
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| 6 |
上塗り |
Vフロン#100クリーン上塗り
指定色 淡彩色 |
80:20 |
5〜20 |
150 |
30 |
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注:標準膜厚の値は塗膜計での管理膜厚の値を示している。
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